痛くない麻酔

最初に針を刺すところによって痛みは違います

歯科の麻酔は歯茎に直接麻酔の針を刺して薬液を注入します。この場合、最初に針を刺すところにより、全然痛みが異なります。

簡単にいうと、歯に近い部分に針を刺せば、もの凄く痛いのです。逆に歯から遠い部分に針を刺せば、痛みすら感じないのです。


困ったことに、以前の日本の歯科教育では、この痛い部分に最初に針を刺すようにとされていました。

何故、針を刺す場所により痛みが違うのでしょうか?


それは、針を最初に刺す部分を歯科医師が引っ張って伸びるか伸びないかの違いです。歯に近い部分は硬い歯茎ですので、歯科医師が引っ張っても伸びる部分では有りません。しかし、頬っぺたに近い部分は大きく伸ばすことができるのです。


大きく粘膜を引っ張って伸ばすことにより、痛覚のセンサーに針が当たる部分が少なくなります。また、太鼓の皮の様に引っ張れば針もスッと入るのです。


更に、歯のそばの歯茎はぴったりと骨膜という下部組織とくっついています。この部分は圧力をかけないと、麻酔薬が入らないので、麻酔が効いていない段階でその様なことをすれば激痛なのです。逆に引っ張った粘膜の場合は、その下には柔らかい組織しかありませんので、何の抵抗もなく薬剤を注入することが出来るのです。


ですから、相模原敬友会歯科では先ずは、頬っぺたを引っ張った状態で麻酔をします。そして少し待っていると歯のそばまで麻酔が効いてきます。この頃合いを見計らってから歯のそばに麻酔をして行きます。なお、歯科医師全員にこの麻酔方法を実践いたします。


なお、日本では塩酸リドカインという麻酔薬が主流なのですが、欧米ではセプトカインという麻酔薬が使用されています。これを使うと歯茎の周囲に麻酔をしなくても奏功する場合が多い様です。なお、日本ではこの麻酔薬は大学で治験段階の様です。早く登場して欲しいと思います。



最初に麻酔の針をさす部位の違い

痛くない麻酔

相模原敬友会歯科では、電動麻酔器を使用しています