矯正歯科

歯列矯正治療:美しい歯並びと健康な口腔環境のために

「美しい歯並びは、笑顔の魅力を高めるだけでなく、お口の健康を維持するためにも非常に重要です。歯並びの乱れは、見た目の問題だけでなく、清掃性の低下、咀嚼機能の低下、顎関節への悪影響など、様々な問題を引き起こす可能性があります。

歯並びの乱れがもたらす影響

  • 清掃性の低下:歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくい部分ができ、磨き残しが多くなります。これにより、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
  • 咀嚼機能の低下:歯並びが悪いと、食べ物を効率よく噛み砕くことができず、消化不良や栄養の偏りを引き起こす可能性があります。
  • 顎関節への悪影響:歯並びの乱れは、顎関節に過剰な負担をかけ、顎関節症の原因となることがあります。顎関節症は、顎の痛みや開口障害、頭痛などを引き起こすことがあります。
  • 特定の歯への過剰な負担:歯並びが悪いと、特定の歯に過剰な力がかかり、歯の寿命を縮めることがあります。特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、注意が必要です。

歯列矯正治療のメリット

  • 美しい歯並びと笑顔の獲得:歯並びが整うことで、自信を持って笑顔を見せることができるようになります。
  • 口腔衛生環境の改善:歯並びが整うことで、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。
  • 咀嚼機能の改善:歯並びが整うことで、食べ物をしっかりと噛み砕くことができ、消化を助けます。
  • 顎関節症の予防・改善:歯並びを整えることで、顎関節への負担を軽減し、顎関節症の予防や改善につながります。
  • 全身の健康への好影響:噛み合わせと全身の健康は深く関係していると言われています。正しい噛み合わせは健康的な生活を送る上で、重要な役割を担います。


歯並びを治す時期

【お子様の矯正治療】

お子様の矯正治療は、顎の成長に合わせて適切なタイミングで開始することが重要です。早期に治療を開始することで、将来的な抜歯のリスクを減らし、より理想的な歯並びと噛み合わせを実現できます。当院では、お子様の成長に合わせた矯正治療をご提供します。

【大人の矯正治療】

大人の矯正治療は、年齢に関係なく始めることができます。近年では、様々な技術革新により、以前よりも目立たず、痛みの少ない矯正治療が可能になりました。歯並びの乱れは、特定の歯に過度な負担をかけ、歯の寿命を縮めるだけでなく、顎関節症の原因となることもあります。美しい歯並びは、機能美を備え、お口の健康を長く保つために不可欠です。

大人の矯正について

歯列矯正治療は、歯に持続的な力を加えることで、歯を適切な位置へ移動させる治療法です。1日22時間以上、継続的に力を加えることができれば、歯は少しずつ移動します。この原理に基づいて、患者様の歯並びを改善していきます。具体的には、歯に持続的な力を加える矯正装置を装着します。

この歯の移動は、歯の周囲にある歯根膜という組織の働きによるものです。インプラントのような人工物には歯根膜がないため、インプラント自体を矯正治療で動かすことはできません。

当院では、患者様の歯並びやライフスタイルに合わせて、以下の2種類の矯正治療をご提供しています。

  • ワイヤー矯正:歯にブラケットと呼ばれる装置を取り付け、ワイヤーを通して歯を移動させる一般的な矯正方法です。様々な歯並びに対応できます。
  • マウスピース矯正:透明なマウスピースを段階的に交換することで、歯を徐々に移動させる矯正方法です。目立たず、取り外しも可能なため、日常生活への影響が少ないのが特徴です。


①ワイヤーを使う方法

【ワイヤー矯正】歯列矯正の基本。進化したワイヤーで快適に

歯列矯正の基本となるワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を接着し、そこにワイヤーを通して歯を動かす方法です。ワイヤー矯正は、幅広い症例に対応できること、そして個々の歯を精密にコントロールできることが大きなメリットです。

ワイヤー矯正の進化:痛みが少なく、非抜歯矯正も可能に

従来のワイヤー矯正では、ステンレススチール製の硬いワイヤーを使用していました。そのため、治療初期には強い力がかかり、痛みを感じることがありました。しかし、近年ではワイヤーの素材が進化し、ニッケルチタン合金やゴムメタル(βチタン合金)など、より柔軟で弾力性のあるワイヤーが開発されました。

特に、ゴムメタルは、車のサスペンションにも使われる素材で、超弾性という特性を持っています。このゴムメタル製のワイヤーを使用することで、従来は抜歯が必要だった症例でも、非抜歯で治療できる可能性が広がりました。

非抜歯矯正:歯を抜かずに美しい歯並びへ

非抜歯矯正は、健康な歯を抜かずに歯列矯正を行う治療法です。歯を抜かないことで、歯の寿命を長く保ち、口腔内全体の健康を維持することができます。また、治療期間の短縮や、治療後の後戻りのリスクを軽減できる可能性もあります。

医療法人社団敬友会の取り組み

医療法人社団敬友会では、ゴムメタルを用いた非抜歯矯正を積極的に推進しています。また、全ての歯科医師が矯正治療のトレーニングを受けており、患者様一人ひとりに最適な治療を提供できるよう努めています。

ワイヤー矯正について詳しく知りたい方へ

ワイヤー矯正についてご不明な点等ございましたら、当院までお気軽にご相談ください。経験豊富な歯科医師が、患者様のお悩みやご希望に寄り添い、丁寧にご説明いたします。

症例

36歳女性 

下顎の前歯が内側に1本入っています。又、上顎前歯も内側に大きく傾斜しています。
小臼歯の抜歯は行っていません。

一般的な矯正治療では、スペース確保のために上下4本の第一小臼歯を抜歯することがあります。しかし、抜歯後のスペースを閉じるには時間がかかり、治療期間が長期化する傾向があります。

一方、非抜歯矯正は難易度が高そうに見えるかもしれませんが、高度な技術と適切な装置を用いることで、約2年程度で治療を終えることが可能です。健康な歯を残せるだけでなく、治療期間も短縮できるというメリットがあります。

ゴムメタルを用いる矯正治療について

ゴムメタルは、トヨタグループの豊田中央研究所が開発した、ニッケルチタン系の合金です。ステンレス鋼線のように自由に曲げることができ、かつニッケルチタン合金のような柔軟性も持ち合わせています。

ゴムメタルの特徴:

  • 高い加工性: ステンレス鋼線のように、直角に曲げることができます。
  • 優れた柔軟性: ニッケルチタン合金のように、しなやかな弾性力を持っています。
  • 複雑な歯の動きに対応: これらの特性により、複雑な歯の動きを再現でき、治療期間の短縮が期待できます。
  • ガタガタの歯並びにも対応: 柔軟性があるため、初期段階の歯並びが悪い症例にも適しています。

ゴムメタルで矯正治療が変わる

ゴムメタルは、従来の矯正用ワイヤーのデメリットを克服し、より快適で効率的な矯正治療を可能にします。複雑な歯の動きにも対応できるため、治療期間の短縮や、より理想的な歯並びの実現が期待できます。

【矯正用ワイヤーに関するご相談は当院へ】

当院では、患者様の歯並びやご希望に合わせて、最適な矯正用ワイヤーを選択し、治療計画をご提案いたします。矯正治療に関するご質問やご相談は、お気軽にお問い合わせください。

抜歯ケース

通常のニッケルチタンワイヤーによる矯正治療

大抵は、ニッケルチタンのワイヤーを入れると、前歯が前方に移動してゆきます。それを修正できないので、小臼歯を抜く方法が取られます。



立体レベリング

ゴムメタルによる矯正治療

矯正の最初の段階から、長方形の断面のゴムメタルワイヤーを使う場合が多いので、奥歯を立てる方向の力を加える力を与えることが可能です。これができると、奥歯の前方にスペースが出来るので、前歯を後方に移動させることが可能になります。よって、小臼歯を抜かなくて済みます。しかし、下顎の親知らずの抜歯は必須になります。



①マウスピースを用いる方法(シュアスマイル)

シュアスマイルは、世界最大の歯科用品メーカーであるデンツプライシロナ社が提供する、3Dデジタル技術を活用したマウスピース矯正システムです。ワイヤー矯正と同じように、持続的な力をかけて歯を移動させる原理に基づいていますが、マウスピースを段階的に交換していくことで歯を動かしていきます。

シュアスマイル矯正の仕組み

  1. 3Dデジタルスキャン: 患者様の口腔内を3Dスキャンし、精密な歯型データを取得します。
  2. 治療計画のシミュレーション: 取得したデータを基に、コンピュータ上で歯の動きをシミュレーションし、治療計画を作成します。
  3. マウスピースの製作: シミュレーション結果に基づいて、3Dプリンターで患者様一人ひとりに合わせたマウスピースを製作します。
  4. マウスピースの交換: 患者様は、段階的にマウスピースを交換しながら、歯並びを整えていきます。

シュアスマイル矯正のメリット

  • 精密な治療計画: 3Dデジタル技術により、精密な治療計画を作成できます。
  • 治療の可視化: コンピュータ上で歯の動きをシミュレーションできるため、治療のゴールを事前に確認できます。
  • 快適な装着感: 患者様一人ひとりに合わせたマウスピースを製作するため、装着感が快適です。
  • 目立たない矯正: 透明なマウスピースを使用するため、矯正治療中であることがほとんど分かりません。
  • CTデータとの連携: CTデータと重ね合わせることで、骨の中での歯根の動きも考慮した安全な治療計画が可能です。

シュアスマイル矯正の注意点

  • 適応症例: ワイヤー矯正と比較して、複雑な歯の動きには対応できない場合があります。
  • 歯科医師の技術: 理論的にはワイヤー矯正と同じ原理に基づいているため、ワイヤー矯正の知識と技術を持った歯科医師による治療が望ましいです。
  • ワイヤー矯正との併用: 症例によっては、ワイヤー矯正と併用することで、より理想的な治療結果が得られる場合があります。

【シュアスマイル矯正に関するご相談は当院へ】

当院では、患者様の歯並びやご希望に合わせて、シュアスマイル矯正をはじめ、様々な矯正治療をご提案いたします。矯正治療に関するご質問やご相談は、お気軽にお問い合わせください。


症例

31歳女性

術前
術後 アタッチメントと言う出っ張りを歯に一時的に接着してあります。これは矯正治療終了後に外します。

シュアスマイルは、3Dデジタル技術を用いたマウスピース矯正システムですが、治療結果は歯科医院によって大きく異なります。なぜなら、歯の動かし方は全て、歯科医師が治療計画を立て、指示する必要があるからです。

シュアスマイルは、あくまでも治療をサポートするツールであり、患者様一人ひとりの歯並びや骨格、ご希望に合わせたオーダーメイドの治療計画を作成するのは、歯科医師の知識と経験に基づいた専門的な技術です。