口の中のできものそのほか
口腔扁平苔癬
主に頬粘膜にできる良性病変です。
特徴はレース状の白斑。カンジタ性の病変と違って、ガーゼで拭いても拭う事ができません。無症状の事もありますが、ヒリヒリする灼熱感を訴える場合があります。
治療は、ステロイドの軟膏を塗布したり、ビタミン剤の服用等があります。原因は不明な場合が多いのです。しかし、この症例の様に、金属の被せ物を中心に生じている様な場合は、金属をセラミックに帰る事により、軽快する場合もあります。
ただし、治るのは結果論であり、金属をセラミックにやり直せば、全てが治癒するとは言えません。
ただ、この様な疾患を見ると若い方に口の中に永続的な金属を入れるべきでは無いと思うのです。



粘液嚢胞
唇にある小唾液腺の排出障害が起こった場合に生じます。老若男女に出来ます。治療は3カ月は経過観察をします。自然治癒があり得るからです。
少しデーターは古いですが(1995年)新潟大学で55例の粘液嚢胞(下唇が37例。それ以外は舌や口腔底)のうち、外科処置をしたのが34例。経過観察が21例。外科処置をしたものの4例が再発。経過観察のうちの17例は自然消失したそうだ。外科処置の線引きをどこにしたのかは、不明だが、自然治癒もかなり有る事が明らかなのです。
しかし、長期間経過観察をしても消失しなく、周囲が硬くなったりした場合は、表面を切り取る形で摘出します。ただ、その小手術により別の小唾液腺に傷を付けてしまうと新たに粘液嚢胞を生じることがあります。表向きは再発に見えますが、正しくは、新たに出来てしまうのです。
参考文献:熊谷 和美ら:小児歯科学会雑誌 33(3):633-642 1995 633 ですから、できれば自然消滅をして欲しいところです。

口腔がん
舌に多く頬粘膜や口底部にもできます。また、耳下腺や顎下腺の様な唾液腺もあります。
粘膜にできるがんは多くは扁平上皮癌です。
口腔がんの治療は、切除、放射線、化学療法があります。部位や大きさ、組織の性質により治療法を選択します。
大事な事は、早期発見、早期治療です、口腔内は、胃がんなどと違ってみる事が出来ます。おかしいと思ったら、直ぐに口腔外科を標ぼうしている歯科医院にご受診ください。
日本では年間5千人程度の方が口腔がんで死亡されています。見える部位ですので、早期に発見できますので、もっと減らせるはずです。
また、発見が遅く成れば遅くなるほど、外科手術の範囲が広がります。胃がんの様に縫い縮めて終わりとはいきません。必ず再建手術という、機能回復をさせる手術が必要になります。そうなりますと、かなり大変な手術になります。
相模原敬友会歯科では、メンテナンスの際に口腔粘膜もチェックいたします。

発見が早かったために、放射線と化学療法で治療。